地層を把握して地盤改良の要否を判断

2021年03月15日 地質

地盤調査を行って地層を把握することは、地盤改良を行うか否かを判断する上で重要です。地層の種類は地盤の強度と深く結びついているからです。この記事では、地盤改良の定義や地層の種類ごとの強度、地盤改良の要否の基準、地盤改良工法の種類などについて説明します。

地盤改良とは、強度が充分でない地盤(軟弱地盤)を人工的に改良し、強度を高める工事のことです。軟弱地盤を放置すると沈下や液状化が起こるリスクが高まります。地盤改良は災害対策として重要なのです。

地盤の性質に大きく関わってくるのが、地盤を構成する地層です。地層は砂や小石、火山灰、粘土、死骸などが積み重なって層を成しているものを指します。一般的に、下のほうほど古い地層になっています。地層の種類は沖積層と、より古い洪積層に大別できます。沖積層は水分含有量が多く軟弱な傾向があり、一方の洪積層は砂や粘土で構成されているために比較的強度があります。

地層に備わっている性質を地質といいます。利用する土地の地層と地質を把握する方法として、スウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査などの地盤調査があります。地盤調査によって地層や地質、地耐力(地盤の強度)を把握し、強度が不足している場合は地盤改良を行います。

では、地盤改良が不要と判断できる基準はあるのでしょうか。一般的な一戸建ての場合、地耐力N値が3以上、できれば5以上あるのが望ましいといわれています。しかし、N値が5でも地盤改良したほうが良いケースがあるので注意が必要です。望ましいとされるN値は地質や土地の歴史によって異なります。地盤改良が必要か不要かは、周辺の環境も含めて総合的に判断します。「地盤改良を行わずに済む確率の高い土地の特徴を知りたい」と思われるかもしれませんが、「こういう特徴の土地なら地盤改良が不要」と簡単にいえないのが実情です。

地盤改良が必要な土地では、種類が豊富な地盤改良工法から、地質その他の条件に応じた工法を選択します。安全性の確保が最優先ですが、工法によって地盤改良にかかる費用は大きく異なるので、経済性も考慮します。

浅層・中層改良は代表的な地盤改良工法のひとつです。軟弱地盤の深さが23m程度の場合によく用いられる工法で、地盤を掘削しつつ固化材を注入し、土と固化材を混合攪拌することで強度を高めます。軟弱地盤がより深い場合は柱状改良工法や鋼管杭工法などより大がかりな工事で対応します。

ひとたび地盤沈下や液状化が起こると、原状回復するのは大変です。地盤調査で地層や地質を把握し、リスクの高い地盤とわかれば地盤改良を行う。そのほうが長い目で見れば経済的といえるでしょう。