ダム浚渫の技術で堆砂問題を解決し、ダムの治水機能を維持する

2020年06月01日 ダム

天候不順から大規模な災害がしばしば起こる昨今、ダムの重要性が改めて見直されています。

豪雨発生時などに流入した水を貯めることで下流での氾濫を防ぐ治水機能(洪水調節機能)、水の少ない時期に貯めた水を河川に流し水の安定供給を実現する利水機能、さらには発電など、平時にも非常時にもダムは私たちの生活環境を支えています。

この記事では、ダムの維持管理に欠かせない「ダム浚渫」について説明します。

ダムは河水を堰き止める一方で、上流からの流砂を堰き止めるため、時間の経過と共に、ダム湖には土砂が流入して溜まってしまいます。これを堆砂と呼び、ダムと切っても切れない関係にあります。ダム建築の計画時に土砂の堆積は前もって予測されてはいるものの、その予測を上回って堆砂することもあり、河岸浸食や河床低下、ヘドロの発生など様々な問題を引き起こします。さらにはダムの洪水調節機能の低下にもつながるといわれているため、ダムの土砂除去が必要となります。

ダムの堆砂対策としては土砂吐きゲートと呼ばれる排砂放流の設備をあらかじめ設置する方法なども知られていますが、代表的な堆砂対策は浚渫船などを用いてダムの湖底の堆砂を除去する工事「ダム浚渫」です。とり除いたダム浚渫土は盛り土材やコンクリート用の砂利として有効に活用されます。

ダム浚渫工法には水中バックホウを利用した施工、地盤改良工法や吸引工法などがありますが、工法の詳しい説明は他の記事に譲って、この記事ではダム浚渫工事の重要性が現代において増していることを説明します。

一般的に、堆砂率20パーセントを超えたダムは堆砂が進行しているとされています。堆砂率は3%程度のダムもある一方で、堆砂率が30%を超えるダムもあります。

しかし、平常時における上流からの流量で堆砂が急速に進行することは稀です。豪雨等による短時間での急激な増水や、流域内での崩壊などの原因で大量に土砂が発生すると堆砂は一気に進みます。急激な堆砂の進行によってダムの貯水可能な容量が減ると、ダムの治水機能がうまく発揮できないことにつながります。記録的な降雨量が続く近年では、平時のうちにダム浚渫を適切に行って堆砂率を低下させておく重要性はますます大きくなっています。

ダム湖はダムが砂で埋まらない限り、半永久的に使用可能とさえいわれています。土砂浚渫してダムを維持管理することはダムを新たに建設することと比較すると非常に簡単に行える上に、費用が格段に抑えられるのはご想像のとおりです。

今あるダムが役割を果たすために、ダム浚渫の施工は必須といえるでしょう。