ダム浚渫工事に用いる浚渫船の種類

2020年11月19日 ダム

この記事では、ダム浚渫に関する記事でたびたび言及している浚渫船について説明します。浚渫船は工事用船舶のひとつで、一般的な船と違って、プラットフォームのような四角い形状のものが多いです。土質や作業現場の地形、水深などによって浚渫船を使い分けます。

そもそも浚渫とはダムやため池だけで行われるものではありません。河川や運河、港湾などで堆積している土砂(堆砂)を浚って除去する作業もまた浚渫と呼びます。ダム・河川・港湾のいずれも土砂が流入しやすく、土砂を貯めやすいので、浚渫作業が必要となります。ダムの場合、堆砂除去することがダムの容量を確保することにつながります。急峻な地形にあるダムや、周囲が軟弱地盤であるダムでは特に土砂堆積が起きやすいので、計画的に浚渫工事を行うことが重要です。

浚渫工事に用いられる浚渫船の一例をあげます。

○バックホウ浚渫船

油圧ショベル型掘削機(バックホウ)を搭載した浚渫船です。船の前端の低い位置にバックホウを据え付けることで、掘削深度・掘削半径を大きくするよう図られています。スパッド(船体が移動することを防ぐため海底に突き立てる柱状体)が3本装備されているのが一般的です。前2本が浚渫中の船体の保持、後ろ1本が移動の用途で使用されます。バックホウ浚渫は軟弱土・礫質土・硬質土など幅広い用途に対応できます。また、障害物にも適応でき、ダム貯水池の堆砂除去の実績が豊富です。

○グラブ浚渫船

グラブバケットでダム貯水池の湖底の堆砂をつかみ上げます。スパッドで船体を固定または移動させる方式と、アンカーで船体を固定または移動させる方式があります。軟弱土から軟質岩盤まで幅広く対応できます。適応深度が深く、大型障害物にも対応できます。

○ポンプ浚渫船

船体を固定し、固定した点を中心として船体を動かし、ラダー先端のカッターで切り崩した堆砂を船内のポンプで吸い上げる搬送手法の浚渫船です。砂質土から粘性土まで対応できます。障害物の多いダムの作業ではカッターをラバーで防護しますが、作業効率は低下します。

○マイクロポンプ浚渫船

浚渫ポンプを使用して堆砂の掘削除去を行う浚渫船です。浚渫から配送、さらには操船まで1台の原動機で行うことができます。

ダム浚渫工事ではバックホウ浚渫船やグラブ浚渫船の方がポンプ浚渫船より出番が多い傾向があります。

株式会社セリタ建設では長年の実績を活かし、地盤改良で固化して搬出するダム浚渫工事を行います。どうぞご用命ください。