浅層混合処理工法とは?特徴や種類、メリット・デメリットを詳しく解説!
2024年01月29日 地盤改良
地盤改良工事の中でも浅い地盤を改良するため気軽に数多く施工されるのが浅層混合処理工法です。今回はその特徴やメリット・デメリット、試験方法を解説します。業者任せにするのではなく、試験方法や施工方法を理解することで工事業者選定時に役立ちます。

浅層混合処理工法の特徴
浅層混合処理工法(読み:せんそうこんごうしょりこうほう)は表層改良工法と同じです。
軟弱地盤の深さ2m以内の地盤にセメント系固化材を混ぜて改良し、建築物や道路などの基盤に対する支持力が増し沈下や変形を抑制します。地表から深さ2m以内は地盤改良の深さでは浅い部類に入るので、浅い層を混合処理する地盤改良工法としてこの名前が付けられました。
地盤を改良する材料はセメント系固化材を使用します。セメントが水と混ざると固くなる性質を利用し、バックホウを用いてセメント系固化材を現地土に混ぜることで軟弱地盤を強固にします。道路改良や構造物の基礎はもちろん大型重機の仮設足場等として多く使用する工法です。
対応可能な地盤
粘性土、砂質土、礫質など様々な地盤に対応可能
対応不可な地盤
・地下水位が改良地盤面よりも高い地盤
・産業廃棄物が含まれる地盤
・急勾配な地盤
浅層混合処理工法の種類
浅層混合処理工法はセメント系固化材の形体により以下の2種類に分けられます。
・粉体工法
・スラリー噴射工法
粉体工法
粉体のセメント系固化材を使用する工法です。粉体のセメント系固化材を使用すると施工性が良くスピーディーに工事ができます。粉体改良方式は住宅地など周囲に粉塵飛散が影響する場合は低発塵型固化材を使用し、飛散を低減できます。
スラリー噴射工法
粉体のセメント系固化材の粉塵が発生するデメリットをカバーするためにスラリー(セメント系固化材と水との混合物)を使用する工法です。スラリー噴射工法は粉塵が抑えられる上、締固めしなくても地盤改良の均質性を確保できます。
浅層混合処理工法のメリット
・費用が安く工期が短い
・狭小地でも施工可能
・地震対策としても有効
・騒音や振動の低減
費用が安く工期が短い
置換え工法と比べ、現地土を改良するため作業効率が良く土を運搬する手間が省けることもあり工事期間が短くすみます。工期が短いので人件費や機械費が低減され工事費軽減に繋がります。
※施工場所や地盤状況によっては改良材が多くかかり割高になる場合もございます。
狭小地でも施工可能
小型の重機で施工可能なため、狭い土地でも工事ができます。およそ幅4.0mの進入路が確保できれば工事可能です。
地震対策としても有効
セメント系固化材を現地土に混合撹拌することにより、地盤が振動しても砂・土と水が分離するリスクが減少します。改良した部分が非液状化層となり液状化が起こりにくくなります。
騒音や振動の低減
地下に杭や柱を打ち込む工法に比べて、騒音や振動が少なく済みます。
浅層混合処理工法のデメリット
施工者によって仕上がりが左右される
工事には技術が必要であり、施工者の技量によって地盤強度に差が出ることがあります。浅層混合処理工法を複数施工しており、品質管理や施工後の試験をきちんとしている経験豊富な専門業者に任せると良いでしょう。
急勾配の地盤は施工が困難
急勾配の地盤では施工重機を安全に配置することが難しく、施工自体が困難なため地盤改良工事が不可となります。
地下水位が高い地盤は工事不可
地下水位が改良基面より高い場合、地盤改良工事が不可となります。
①配合試験の実施。改良厚さと土質の確認
②施工区画の分割
③固化材を散布する(スラリー噴射方式は水と固化材を混ぜたものを攪拌しながら噴射)
④固化材と土を混合撹拌する(スラリー噴射方式は水と固化材を混ぜたものを混合撹拌)
⑤転圧機械によって締め固める(スラリー噴射方式は転圧の必要なし)
工事の注意点
配合試験
施工前に配合試験することにより最適なセメントの配合設計ができます。適切なセメント添加量とセメント系固化材の種類を判断する試験です。
フェノールフタレイン液による試験
施工後に地盤改良が完了した任意の部分にフェノールフタレイン液を吹きかけ、均一に色が変わったこと(均一にセメント系固化材が土と混合撹拌できている証拠)を目視で確認します。セメント固化材が土に均一に混合撹拌されたか確認する試験です。
一軸圧縮強度試験
一軸圧縮試験とは改良土を横から圧力を加えず上下から押しつぶすことでことで粘着力や変形係数を算出します。一軸圧縮強度が高いほど粘着力や地耐力が高いということになります。地盤改良をした結果、どの程度強固な地盤になったかを確認する試験です。
重要ポイントをQ&A形式で確認
Q1. 浅層混合処理工法とは何ですか?
A1. 浅層混合処理工法は、表層改良工法とも呼ばれ、深さ2m以内の軟弱地盤を改良する工法です。地表近くの軟弱な地盤にセメント系固化材を混ぜ合わせることで、建築物や道路などの基盤に対する支持力を高め、沈下や変形を抑制します。セメントが水と混ざると固くなる性質を利用し、バックホウで現地の土とセメント系固化材を混合撹拌することで軟弱地盤を強固にします。道路改良や構造物の基礎だけでなく、大型重機の仮設足場としても広く使用されている工法です。
Q2. 浅層混合処理工法にはどのような種類がありますか?
A2. 浅層混合処理工法は、使用するセメント系固化材の形態により粉体工法とスラリー噴射工法の2種類に分けられます。粉体工法は粉体のセメント系固化材を使用する方法で、施工性が良くスピーディーに工事が進みます。住宅地など周囲への粉塵飛散が懸念される場合は、低発塵型固化材を使用して飛散を低減できます。スラリー噴射工法は、粉体の粉塵発生というデメリットをカバーするため、セメント系固化材と水を混ぜたスラリーを使用する方法です。粉塵が抑えられ、転圧しなくても地盤改良の均質性を確保できる特徴があります。
Q3. 浅層混合処理工法はどのような地盤に対応できますか?
A3. 浅層混合処理工法は粘性土、砂質土、礫質土など様々な地盤に対応可能です。ただし対応できない地盤もあり、地下水位が改良地盤面よりも高い地盤、産業廃棄物が含まれる地盤、急勾配な地盤では施工ができません。地下水位が高い場合は固化材が水で流されてしまい適切な改良ができず、急勾配の地盤では施工重機を安全に配置することが困難なためです。施工前に地盤調査を行い、対応可能な条件かどうかを確認することが重要です。
Q4. 浅層混合処理工法のメリットは何ですか?
A4. 浅層混合処理工法には複数のメリットがあります。まず費用が安く工期が短いことです。現地土を改良するため作業効率が良く、土を運搬する手間が省けるため工事期間が短縮され、人件費や機械費も低減されます。また小型の重機で施工できるため、幅4.0m程度の進入路があれば狭小地でも工事可能です。地震対策としても有効で、セメント系固化材を混合撹拌することで地盤が振動しても砂・土と水が分離するリスクが減少し、液状化が起こりにくくなります。さらに地下に杭や柱を打ち込む工法と比べて騒音や振動が少ない点も利点です。
Q5. 浅層混合処理工法のデメリットは何ですか?
A5. 浅層混合処理工法にはいくつかのデメリットがあります。最も大きいのは施工者の技量によって仕上がりが左右されることです。工事には技術が必要であり、施工者の経験や技術力によって地盤強度に差が出る可能性があります。そのため複数の施工実績があり、品質管理や施工後の試験をきちんと実施している経験豊富な専門業者を選ぶことが重要です。また急勾配の地盤では施工重機を安全に配置できないため施工自体が困難になります。さらに地下水位が改良基面より高い場合は、固化材が適切に機能せず地盤改良工事が不可となります。
Q6. 浅層混合処理工法の施工手順はどのように進みますか?
A6. 浅層混合処理工法の施工は以下の手順で進みます。まず配合試験を実施し、改良厚さと土質を確認します。次に施工区画を分割し、固化材を散布します(スラリー噴射方式の場合は水と固化材を混ぜたものを攪拌しながら噴射)。その後、固化材と土を混合撹拌し(スラリー噴射方式も同様に混合撹拌)、最後に転圧機械で締め固めます。ただしスラリー噴射方式は転圧の必要がありません。施工前の配合試験により最適なセメント配合設計ができ、適切なセメント添加量と固化材の種類を判断できます。
Q7. 浅層混合処理工法の品質を確認する試験にはどのようなものがありますか?
A7. 浅層混合処理工法では品質を確認するために複数の試験が実施されます。まず施工前に配合試験を行い、最適なセメントの配合設計をします。施工後にはフェノールフタレイン液による試験を実施し、地盤改良が完了した任意の部分に液を吹きかけて均一に色が変わることを目視で確認します。これによりセメント系固化材が土に均一に混合撹拌されたかを確認できます。さらに一軸圧縮強度試験も行われます。これは改良土を横から圧力を加えず上下から押しつぶすことで粘着力や変形係数を算出する試験で、一軸圧縮強度が高いほど粘着力や地耐力が高いことを示します。地盤改良の結果、どの程度強固な地盤になったかを確認できます。
Q8. 浅層混合処理工法と置換え工法の違いは何ですか?
A8. 浅層混合処理工法と置換え工法の大きな違いは、地盤の処理方法にあります。置換え工法は軟弱地盤を掘削して取り除き、良質な土と入れ替える工法です。一方、浅層混合処理工法は現地土を改良する工法で、軟弱地盤を掘削せずにその場でセメント系固化材を混ぜて強固にします。そのため浅層混合処理工法は作業効率が良く、土を運搬する手間が省けることから工事期間が短縮されます。工期が短いため人件費や機械費が低減され、結果として工事費の軽減につながります。ただし施工場所や地盤状況によっては改良材が多く必要となり、割高になる場合もあります。
Q9. 浅層混合処理工法で地震対策ができる理由は何ですか?
A9. 浅層混合処理工法が地震対策として有効な理由は、地盤の液状化リスクを低減できるからです。セメント系固化材を現地土に混合撹拌することで、地盤が振動しても砂・土と水が分離しにくくなります。地震時に軟弱な砂質地盤で起こる液状化現象は、地盤内の砂と水が分離して地盤が液体のような状態になる現象ですが、改良した部分が非液状化層となることで液状化が起こりにくくなります。これにより地震による地盤の変形や沈下を抑制し、建築物や構造物の安定性を保つことができます
まとめ
浅層混合処理工法は適切な品質・施工管理により、地盤の強度がでます。弊社は専用機械と職人を保有し、公共工事でも地盤改良工事を多数施工しております地盤改良の専門業者です。浅層混合処理工法のような施工者により品質が変わる改良は弊社にお任せください。






