造成した土地は地盤改良が必要

2021年02月24日 造成

造成地は地盤改良が必要な土地である可能性が高いといえます。地盤の強度は見た目ではわからないので、地盤調査を行い、強度が低い場合は地盤改良を行います。この記事では、造成地とは何か、造成と地盤改良の違い、造成地の地盤の問題点、地盤改良工法を説明します。

造成地とは、加工によって農地や宅地にした土地のことです。農地や林地を宅地にした場合も造成地と呼びます。加工しなければならないということは、そもそも形質や形状上の問題があった土地である可能性もあります。

地盤を加工する地盤改良と、造成との違いがわからないと思われるかもしれません。地盤改良は固化材を地盤に添加するなどの方法で地盤の強度を高めることを指します。地盤改良の目的は地盤を安定させて地盤の安全を守ることで、災害対策の性格もあります。一方の造成は、もともと利用されていなかった土地や、違う目的で利用されていた土地を、利用目的に応じて加工することを指すので、地盤改良とは大きく異なります。造成を行った上で地盤改良も行うというケースが非常に多いのです。例えば農地を造成して宅地として利用する場合、見た目は安定性のある硬い地盤に見えても、実際は強度が低く、地盤改良が必要ということがあります。同じ造成地でも、地盤改良した場合と地盤改良しなかった場合では、安全面における違いは歴然です。

では、造成地の地盤にはどのような問題があるのでしょうか。盛土による造成を例にとって考えてみましょう。田畑や沼、谷などに新しい土を運搬して盛土した土地は、一見、頑丈そうで、地盤改良が不要に見えるかもしれません。しかし、盛土により造成した土地の地盤は強度が低いというデメリットがあります。まずは地盤調査を行い、強度を正確に把握した方が安心です。盛土で造成された土地を利用する場合は、地盤調査と地盤改良の費用を予算に入れておいた方がいいでしょう。

地盤改良の要否を判断する基準として、地盤調査の結果がわかるN値があります。一般的な戸建て住宅の場合、地盤調査で算出した地盤の強度・N値が3以上、できれば5以上である方が望ましいとされています。これを下回る場合は地盤改良が必要です。ただし、新しい盛土の地盤の場合は、より高いN値でも地盤改良が必要となるケースがあります。そのぐらい、盛土した土地の地盤は強度に不安があるということです。

地盤改良工法は大きく分けて3種類あります。表層改良工法、柱状改良工法、小口径鋼管杭工法です。新しく盛土した土地を地盤改良する場合、杭打ちによる小口径鋼管杭工法は適さないという意見もあります。盛土で造成した土地に小口径鋼管杭工法を施工した結果、地盤上の建物は沈下しなかったものの周囲の地盤が下がって杭の抜け上がりが起こった事例があるためです。造成地の特質をよく検証して工法を選ぶ必要があります。