道路の地盤改良工法を深度ごとに分類

2020年12月07日 路床

道路における地盤改良(路床改良)は、私達の暮らしの安全を支える大切な技術です。地盤改良工法は路床の地盤の深度に応じて浅層・中層・深層に分類され、用いる土質改良機の種類も異なります。一般的に、路床の地盤が深いほど工法は複雑化し、土質改良機も大型になる傾向があります。

軟弱地盤とは、道路をはじめとした構造物を支える力が弱い地盤のことです。仮に軟弱地盤上に道路を建設するとどうなるでしょう。不同沈下により道路にでこぼこができ、道路と橋げたとの間に段差が生じるなどの事態が懸念されます。さらに、道路の下の配管が破損するなど生活の基盤が脅かされることになるのです。そこで地盤改良が必要になります。

地盤改良にあたってはまず地盤の状態を調査し、軟弱地盤である場合は地表からの深度何mで強度の充分な良好地盤に到達するかを把握します。軟弱地盤から良好地盤に到達するまでの深度数mをどう対策するかが地盤改良なのです。

軟弱地盤が2m以内の場合は浅層地盤改良工法10m以内の場合は中層地盤改良工法、10mを超える場合は深層地盤改良工法になります。土木学会などでは、浅層地盤改良工法は、2〜3m程度以下の深さと幅を持たせた説明になっています。

浅層地盤改良工法は表層改良工法とも呼び、地表から2mまでの軟弱土を原位置で固化材とバックホウ混合して目的に応じた改良体を造成する工法です。軟弱土と固化材との混合物に地盤を置き換えることで安定した地盤に改良します。深層部に優良な地層が確認される場合は、表層改良のみの地盤改良で対応が可能です。地盤改良の現場ではバックホウにアタッチメントを装着する方式や自走式土質改良機が活躍していますが、特に道路の表層改良における自走式スタビライザーの活躍は顕著です。バックホウやスタビライザー、ローラーなど汎用性の高い重機で施工できるのが表層改良です。

近年では、表層改良のひとつとして特殊加工が施された透水性のある袋に砕石を投入してランマー等で締め固めるd-box工法もあります。締め固めることで発生する、袋および袋の内部に設けた内部拘束具の張力によって、土粒子間に大きな摩擦力を発生させるのです。d-box工法は地盤補強や振動の低減、液状化対策として有効という評判があります。

表層改良で対応できないケース、つまり軟弱地盤が深い中層地盤改良・深層地盤改良においては軟弱土とセメントミルクを攪拌した混合物を柱状に地盤中に造成したり、銅管杭を地盤に打ち込んだりする工法等が選択されます。柱状改良や杭打ち機などの大型重機が必要でコストが高くなる傾向がありますが、安全を守るために地盤改良を避けることはできません。

私達セリタ建設では、路床改良をはじめとした地盤改良の実績を重ね、技術を磨いてまいりました。路床改良と道路舗装で、生活インフラを守ります。