建設DXに向けて公開されたSaaSサービスのカオスマップについて解説

2024年04月03日 建設DX

建設業界ではDXを導入する取り組みが行われており、DXの導入方法の一つに「SaaS」が挙げられます。

今回は、2021年に公開された「建設テックカオスマップ」と、建設テックにおける市場の動向についてまとめました。

chaos-map

建設業界のSaaSサービスをまとめた「建設テックカオスマップ」が公開

株式会社FIRSTは、建設業界における課題を解決するためのサービスについて、計133個をまとめた「建設テックカオスマップ2021年版」を公開しました。

chaosmap2021

出典:https://first-corporation.co.jp/download/form-press.html

 

カオスマップ公開の背景には、日本の巨大な建設業界が関係しています。

実際の建設現場ではIT化が進まず、DXへの参入障壁が高いものの、担い手不足やワークスタイルのシフトによって新しい建設テックサービスが次々に登場し、業界は盛り上がっている現状です。この増え続けるサービスの中から適切なものを選ぶのは難しいため、「建設テックカオスマップ」が公開されました。

このマップでは、「業務・臨場管理支援」と「施工・維持管理」の2つの観点から25のカテゴリーに分けられ、あらゆる視点でテクノロジーを活用した課題解決のためのサービスが紹介されています。建設業界の課題を解決したい人たちが、市場を理解して知識やサービスを活用することで、業界のさらなる成長に繋がるでしょう。

 

建設テックの市場規模は増加の見通し

建設テック市場の拡大は、建設業界の市場規模と密接に関係しています。

国土交通省の「2021年度建設投資見通し」(https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001014.html)によると、2021年の建設投資は前年比2.9%増の62兆6,500億円に達すると予測されており、建築業の需要は今後も高く維持される見込みです。建設業界は国内産業の自動車に次ぐ巨大な市場規模である一方、多くの課題が懸念されます。この課題を手作業だけで解決するのは限界があるため、テクノロジーが課題解決の鍵となるでしょう。

 

建設テックのスタートアップ企業によるDXサービスを紹介

ここでは、建設テックのスタートアップ企業によるDXサービスについて、3つのジャンル別におすすめのサービスを紹介します。

サービス名

特徴

主な機能

アイピア

業務管理システム

・顧客情報や現場情報、原価管理、労働管理、工程表、営業進捗、発注・請求などのあらゆる業務をクラウド管理

・会社ごとに機能のON・OFF設定が可能

Local Works

決済代行・保証システム

・建設事業者間の決済代行や売上金の回収保証、トランザクションファイナンスに対応

・中小建設事業者の信用情報を見える化

ALLSTOCKER

中古建機・重機のオークションサイト

・世界規模の中古建機や重機、農機、車両をオークションで購入可能

・国内外の発送や相場検索、多言語サポートにも対応