「電話」をDXの起点に変えた、セリタ建設の“攻めのクラウドPBX戦略”
2026年01月14日 建設DX
建設業のDXは、BIMやAI、ドローンやICT施工といった「現場技術」から語られがちです。しかし、セリタ建設が最初に手を付けたのは、意外にも「電話」でした。
なぜ、ビジネスフォンという“当たり前のインフラ”を疑うことからDXを始めたのでしょうか。その裏には、地方ゼネコンが本気で成長を狙うための、極めて戦略的な判断がありました。

セリタ建設はこれまで、一般的なビジネスフォンを社内の電話インフラとして利用してきました。しかし業務が多様化し、現場や移動中の対応が求められる建設業界では、固定された電話システムでは対応しきれない限界がありました。社内外のスピードが求められる中で、電話応対に制約があることは、顧客対応の遅延や機会損失につながりかねません。そのため、従来の電話システムは利便性の枠を超えて、成長の足かせになりつつありました。
ビジネスフォンは「業務を縛るシステム」になっていた
セリタ建設では長年、一般的なビジネスフォンを利用していました。 しかし、業務の高度化・スピード化が進む中で、次のような課題が顕在化していきました。
- 電話は「事務所にいる人」しか取ることができない
- 現場・外出中・テレワーク中の社員が即応できない
- 通話履歴や内容が、会社のデータとして残らない
- 電話が“個人の端末”に閉じてしまい、組織の資産にならない
従来のビジネスフォンは、オフィスにいる人が電話に出るという前提の設計になっており、現場対応や外出先からのレスポンスには不向きでした。建設業の現場は事務所とは離れた場所にあることが多く、現場監督や営業担当者が迅速に対応するためには、電話そのものの概念を見直す必要がありました。このような状況の中、セリタ建設は電話のあり方を抜本的に変える決断をしました。
導入したのは、クラウドPBXである「voiceX」です。voiceXは電話番号をクラウド上で管理する仕組みであり、固定の電話機にとらわれず、スマートフォンやPCからでも会社の番号で通話が可能になります。これにより、社員は場所を問わずに電話対応ができるようになりました。現場や外出先での応対が容易になったことで、社内外のレスポンスは大きく向上しました。電話応対にかかる時間や手間が削減され、顧客満足度の向上にもつながっています。
電話番号を“機械”から切り離し、クラウド上のデータとして扱うという発想の転換が、業務構造を一変させました。
- 社員のスマホが会社の電話になる
- どこにいても代表番号で応答できる
- 誰がいつ誰と話したかがデータとして残る
- 電話がSlackやCRMと連携できる
コストダウンを、次のDXへ再投資する
voiceXの導入は、単なる利便性向上では終わりませんでした。ビジネスフォンのリースや保守、回線コストが削減され、固定費を構造的に下げることができました。
セリタ建設は、この削減できた費用をさらなるDXの推進に再投資するという意思決定を行いました。
セリタ建設にとって、電話のクラウド化は単なるインフラ刷新ではありませんでした。電話という日常的なコミュニケーション手段を見直すことで、業務全体のスピードと柔軟性を高め、変化する働き方や顧客ニーズに対応できる組織へと進化するきっかけとなりました。これまでの慣習にとらわれず、成長のための投資を積極的に行う姿勢は、地方企業におけるDXの成功事例として示唆に富んでいます。
セリタ建設はvoiceXの導入を通じて、固定された電話システムから脱却し、柔軟で効率的なコミュニケーション基盤を手に入れました。その結果として得られたコストメリットを新たなDXへの投資に充てることで、持続的な成長を目指す企業の姿勢がここにあります。電話の進化は、これからの働き方と組織の可能性を広げる第一歩となったのです。





