株式会社セリタ建設のDX推進の取り組み内容と事例をご紹介
2024年01月13日 建設DX
セリタ建設は、地域の土木工事業を営みながら、その地域の地質特性である軟弱地盤の地層に着目し、早くから地盤改良工事に注目し、現在の事業の中核として確立してきました。さらなる成長のため、DXを早い段階から取り入れ、組織変革を行なってきました。
弊社の強みは、独自技術の地盤改良工事の技術をWEBやDXのノウハウを用いて、お客様や取引先に情報を届け、利活用して頂くことです。DXを早い時期から取り入れ、バックオフィスの効率化やデジタルマーケティングの推進によって、建設業では異例の高収益体質(経常利益率20%超)に変貌させてきました。更に、WEBのコンバージョン率(資料をダウンロードなど、アクションした比率)27%を超えるなど、業界問わず圧倒的なデジタルマーケティングの効果を発揮しています。建設業の古い御用聞き営業で、アナログでレガシーな構造を、DXやデジタルマーケティングを用いて、距離や時間のハードルを越えることができ、大手の建設会社など人員を多く投下して営業を進めるスタイルを、根本から変えるDX営業へと変貌させて来ました。
⚫︎フェーズ毎に分けて、導入して行く
DX推進するにも、セリタ建設なりの工夫があって、スモールスタートさせることと、部門ごとに成熟度を高め、理解する仲間を増やしながら、広げていくことに注力してきました。もちろん、スモールスタート(小規模から始める)のメリットは複数あります。まず、リスクの低減が挙げられます。小規模プロジェクトでは、失敗しても損失が少なく、貴重な学びを得やすいです。またアジャイルなアプローチにより、迅速なフィードバックと改善が可能になります。さらに、組織内での変化に対する抵抗を減らし、従業員の適応を容易にすることも大きなメリットです。
このように、フェーズ毎に対象とする部門を決め、狙う施策も計画していきました。
⚫︎具体的な導入した施策とツール
ここでは、フェーズ毎にステップアップさせながら、2023年現在では、30近くのシステムを導入し組織変革を進めてきました。2012年のセールスフォースの導入をきっかけに、業務の棚卸しを行いました。実は、DXは組織の根幹に触れ、その運営構造を変革する重要なプロセスです。これにより、ビジネスモデルや組織部文化が、デジタル技術を通じて再構築されるため、非常にセンシティブに扱っていったことを覚えています。
逆に、DX推進をするにあたり、そのような経験に遭遇しない場合は、表層的な課題だけにアプローチして、部分的な修復になっていると考えられます。
DX推進による成果を社内においては、セールスフォースで集約したデータを、ダッシュボードなどのBIツールを使い可視化することで、視認性良く判断することが出来ています。
集計されたデータは、役員だけではなく、部門毎に数値を公表しており、業務のフィードバックや人事評価制度に活用しています。
また、弊社の取り組みを外部のセミナーや各種団体でも活用事例として発表しています。
私たちセリタ建設のシステムの全容です。
もちろん、この図表に掲載されていないサービスもあります。
業務ごとに、もれなく・ダブりなくシステム導入をしていきましたが、 API は意識して各システムが連携できるようにしています。
またクラウドなので、ネットがつながればどこでもアクセスできるし、バックアップはストレスがかかりません。
システム化においては、同業他社で先行してシステム化に成功している会社を、どのようなオペレーションや、システムの仕組みになっているのかというところを徹底的に研究するというのもポイントです。
ベンダーに依頼することも考えましたが、外部の支援の方の場合どうしても悪いところに目が行ってしまい、前述のようにパッチあての要素が強くなってしまいます。
自社の業務や組織をわかっているのはあくまで担当であるため、専門知識についてのアドバイスはいただきましたが、システムの全体像の構築は社内で行いました。
営業部の案件管理・顧客管理から工事部での日報・原価管理、そして総務部の進捗管理・契約管理まで結んでいます。
建設業においては、現場のリアルタイム管理が非常に重要です。クラウド化によって逐次管理できるようになったため、業務依頼内容と原価管理についても現場のサポートがスムーズにできるようになりました。これが利益20%実現に非常に大きく貢献しています。
最終的には経理部の請求書発行業務や入出金管理をAPIで連携し、業務を一気通貫で結ぶというのがこれからのビジョンです。
ここまで来るのに、2012年から長い時間を要しました。しかし最終的なビジョンがあったので、ここまで到達できたのではと考えています。
⚫︎クラウドワーカーを使って、組織の強さを最大化させる
超成長期のセリタ建設を支えたのは、クラウドワーカーさんの活躍だと思います。
限られた人材ではなく、スキルやノウハウを持ったクラウドワーカーの利用は、私どもに柔軟性とコスト効率をもたらしました。必要なスキルを持つ人材を即座に確保でき、特定のプロジェクトや繁忙期に対応するための人員を柔軟に調整可能です。また、地理的制約なく才能を活用でき、固定費用の削減にも繋がります。これにより企業は効率的に業務を遂行し、競争力を高めることができます。
建設業の専門性の高い記事執筆から、インサイドセールス・SNS・MEOなど営業活動の見えにくいサポート役として非常に高い効果を生み出しました。
⚫︎建設業のコードソサイエティー
戦略ビジョン2050年に向けて、弊社はデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用し、ステークホルダーに新しい価値を提供するために、いくつかのトレンドや進化に向けてレスポンスよく対応していく姿勢です。これまで進めてきたCRM・SFAによって、工事プロセスや経営の見える化を進めて来ました。
これからは、ステークホルダーまで巻き込んだDXの世界観を体現して頂く構想です。まさに、デジタル技術で調和の取れた『建設業のコードソサイエティー』を実装して行くためには、中期経営計画の中でもDXは重要位置付けとしており、利己的な思考ではなく、常に利他的な思考で、優先度高く推進しています。
⚫︎DX 戦略の推進に必要な IT システム環境の整備の方策
整備方針と具体的な内容
1. *AI の導入* 顧客データや業務データの分析効率を向上させるために、AIを活用した分析システムを導入。具体的には、営業活動の支援として、過去データから受注確率を予測するAIモデルの構築を予定。 SEO対策されたコンテンツの文章作成や動画作成などを、AIを活用し最適に連携したシステム構成を予定。
2. *データベース(DB)の構築* 業務データの分散管理を解消し、データの一元管理を実現するために、クラウド型データベースを構築。これにより、部門間の連携を強化し、プロジェクトの進捗管理がリアルタイムで行える環境を整備。
3. *ITシステムの運用体制* DX 推進を支えるIT部門の人材強化として、外部コンサルタントを活用したITトレーニングプログラムを実施。また、専任のシステム管理者を配置し、トラブル対応やシステム改善を迅速に行える体制を構築。
4. *具体的なDX関連プロジェクト例*
– 営業部門における顧客データ分析プラットフォームの構築
– 建設プロジェクト(地盤改良工事)の進行状況をリアルタイムで共有と自動化するアプリケーションの開発
– お問い合わせメールに対する自動返信システムの導入による業務効率化