道路の地盤改良に対応するセメント改良材

2020年12月10日 路床

道路の地盤改良で用いる改良材として最も適性があるセメント改良材は、強度を恒久的に保ち最も適性があるといえます。セメント改良は重要な社会インフラである道路の安全を守るために欠かせない技術です。この記事ではセメント改良の定義やバックホウ混合によるセメント改良の施工方法を説明します。

地盤改良材にはセメント改良材の他に石灰改良材があります。地盤改良においてセメント改良材と石灰改良材をどのように使い分けるのかお話しましょう。セメント改良材はセメントをメインにいくつかの有効成分を加えた改良材です。セメント改良材を用いた地盤改良は、長期間にわたって地盤の強度が保たれるのが特徴です。また、さまざまな土質に適用できる点も大きなメリットです。一方、石灰改良材は石灰をメインにいくつかの有効成分を加えたものです。軟弱な土をごく短期間だけ改善するための地盤改良に用いられます。道路の地盤改良は、長期間の使用耐え得ることが前提となるので、セメント改良材が向いています。

ではどれほどの量を添加すればセメント改良材または石灰改良材と呼べるのでしょうか。実は、『セメント系固化材による地盤改良マニュアル』、『石灰による地盤改良マニュアル』ともに最小添加量の規定はありません。改良材のコンディション、改良を行う地盤の土質、施工方法等によってケースバイケースなので、「これが最小添加量」と定めづらいためです。一般的には、浅層地盤改良でかつ粉体無添加の場合、均等に混合でき得る目安はセメントで50kg/㎥、石灰で30 kg/㎥といわれています。

セメント改良でバックホウ混合する場合の施工方法は、次のような流れです。地盤改良の前に地盤の状態を確認した上で配合試験を行い、設計基準強度を設定します。セメント改良に必要な材料計算を行い、材料や使用する重機、作業体制などの準備が整ったら、地盤改良工事を開始します。一般的な地盤改良工法では、軟弱土と改良材をバックホウ混合することで軟弱地盤を強度のある地盤に置き換えます。混合・攪拌が完了したらローラー等で地表をならします。地盤改良では一軸圧縮試験を行うことも重要です。改良土を採取し、地盤改良開始にあたって定めた設計基準強度を満たすか確認します。強度を満たしていれば地盤改良は完了し、充分な強度が保証された地盤で道路が建設されます。

セメント改良材による地盤改良は安全な道路を建設するための必須条件なのです。

※「セメント系固化材による地盤改良マニュアル[第4版]」セメント協会(H24.10)

※「石灰による地盤改良マニュアル[第7版]」日本石灰協会