貯水槽下の地盤はまず強度を確認

2021年10月25日 地質

貯水槽を安全に設置するためには、まず地盤の強度を確認する必要があります。確認の方法はボーリング試験などの地盤調査です。強度の小さい地盤であれば地盤改良が必要です。きちんとした対策が地盤沈下を防ぎ、貯水槽の安全な運用につながります。

貯水槽が傾く原因

貯水槽のうち、特に受水槽が傾く原因は地盤沈下であるケースが大半です。基礎が破損していたり設計に問題があったりするケースもあるのですが、地盤沈下と比較すると割合は小さいのです。そして地盤沈下が起こる背景には、住宅や施設・橋梁などを築く場合と違って、地盤の強度が軽視される傾向があります。受水槽は一般住宅ほどの重さはないので、地盤に強度がなくても問題がないと認識されがちです。しかし、どんな軽量の構造物でも地盤沈下は起こりえます。そして、地盤沈下の起こりやすい地盤はほとんど例外なく強度の小さい地盤なのです。

傾きを放置すると貯水槽がひび割れる

では、貯水槽が傾くことの何が問題なのでしょうか。傾きを放置すると、排水口から水が出にくくなったり、ひび割れが発生したりすることです。

ひび割れが引き起こす問題は深刻で、水漏れによって水が貯まりにくくなる上に、割れた箇所から虫やゴミがまぎれこんで衛生面も損ないます。それだけではありません。耐用年数が短くなり、破損を招くこともあります。特に警戒しなければならないのが、地震などの大規模災害が発生した際に貯水槽が破裂することです。貯水槽が破裂するとその施設・建物は断水され、居住者や利用者に不便を強いることになりかねません。

貯水槽下の地盤は必要に応じて改良を

貯水槽が傾いた場合は新しく貯水槽を作り直す・沈下を修正する工事を行うなどの対処が必要です。とはいえ、貯水槽を設置する前に地盤沈下が起こらないように対処しておくのが最良の方法でしょう。

地盤沈下が起きない地盤かどうか、つまり、強度が十分にある地盤かどうかは、見た目だけではわかりません。まずは地盤調査を行いましょう。ボーリング調査やスウェーデン式サウンディング試験などが代表的です。地盤調査によって地盤の強度や土質などが把握できます。地盤改良が必要かどうかわかるだけでなく、地盤調査で得られた情報は地盤改良の工法や改良材を選択する際の重要な判断材料になります。

地盤改良の工法は種類が多く、狭い土地に適した工法や、過剰な強度に設計しない効率的な工法もあります。株式会社セリタ建設では土地の条件に応じた工法を提案できるので、ぜひお問い合わせください。