ガスタンクの基礎と地盤はゆるぎなく

2021年12月01日 地質

ガスタンクの基礎と地盤を強固にすることによって災害を防ぎ公共の安全を守ることができます。ガスには様々な種類がありますが、この記事では超低温液化ガスタンクを例に、ガスタンクに関する規制や基礎工事の概要を説明し、ガスタンクの安全を考えます。

超低温液化ガスタンクとは

超低温液化ガスタンクはコールドエバポレーター(CE)と呼ばれ、液化ガスを気化させて使用します。病院の医療用酸素や工場で使用する窒素など、使用量が多いケースにおける供給方法として広まっています。エバポレーターとは、減圧することで液体をどんどん蒸発させる機能を持つ装置のことです。外圧が下がると沸点も下がりますが、エバポレーターは減圧によってタンク内の液化ガスの沸点を下げることで蒸発が進むよう促すのです。

CEによるガス供給は、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)で規定されることが多いといえます。この法律は高圧ガスによる災害を防ぎ公共の安全を確保するために制定されました。CEの設置や取り扱いに関しては法に基づいた事前準備が必要です。ガスの種類と使用量・使用形態によってタンクの大きさや蒸留器を選び、選んだ機器によって異なる法規制があります。蒸発器の大きさによっては製造事業の許可を、貯蔵するガスの種類と量によっては貯蔵所設置の許可を都道府県知事から受けるなど、一定の手続きを経なければ事業開始できないのです。

超低温液化ガスタンク基礎工事の流れ

設置前にボーリング調査などの方法で地盤調査を行い、地盤の強度を確認します。強度が小さければ、地盤の特性に応じて浅層改良・混合処理、中層改良・混合処理、柱状改良工法、鋼管杭工法などの地盤改良工事を行います。

その後ベタ基礎を敷設し、配筋した上でタンクの足となる基礎部分の設置を行い、生コンクリートを流し込んで養生期間をおきます。タンクの脚部基礎を築く際は、タンク基礎とタンクの脚部フランジ(部材の端を他の部材等に接合するために用いられるツバ)がうまく接合するよう細かな調整が必要です。ガスタンクと基礎ボルトを合わせる際にうまく接合できなかったり接合部がまっすぐでなかったりすると設置に時間がかかります。

堅牢な基礎と地盤がガスタンクには欠かせない

超低温液化ガスタンクを例に、法規制に基づく手続きや基礎工事について説明してきました。法規制も工事も事故を起こさないためのものです。

ガスタンクの安全の大前提は、強固な基礎と地盤だといえるでしょう。地盤改良でしたら実績豊富なセリタ建設にお任せください。施工期間や費用・工事内容など、メールフォームからお問い合わせいただけます。