種類豊富な地盤改良工法と土木資料

2021年04月22日 地質

軟弱地盤の強度を高める土木工事である地盤改良工法には多くの種類があり、地盤改良の目的や地盤条件、周辺環境などから総合的に判断した上で最適な工法を選択することが求められます。この記事では、地盤改良の意義や工法の種類、工法を選択する際の資料について説明します。

地盤改良は、地盤と地盤上の構造物の安定を守る土木工事です。液状化対策や沈下対策として実施されています。土壌の汚染を防いだり、既存の構造物の耐震補強を図ったりする場合に用いられることも増えています。

軟弱地盤改良工法には様々な種類があり、費用も異なります。

浅層・中層改良工法は地盤改良工法の代表的なものです。表層部の軟弱な箇所を掘削し、土とセメント系固化材を混ぜ合わせます。作業効率の高さと低コストが特徴です。

柱状改良工法はドリル上のヘッドを装着した施工機で穴を掘りながら、セメントミルクを注いで土とかき混ぜます。これによって円柱状の強固な地盤を地中に形成するのです。施工時の騒音や振動が小さいなどのメリットがあります。

鋼管杭工法は地中に鋼製の杭を打ち込む工法です。軟弱地盤が深い場合は鋼管を溶接して繋げます。大型の構造物にも対応可能です。

よく用いられる工法を紹介しましたが、地盤改良工法はこの他にもたくさんの種類があります。また、地盤改良に用いられる固化材にも様々なものがあり、セメントの他、石灰や砕石などがあります。

数多く存在する地盤改良工法を選定する際の資料について説明しましょう。

「地盤改良工法技術資料」は環境保全意識の高まりを考慮した内容となっています。工法の分類・細分類や各工法の概要を説明した上で、地盤改良工法の選定表が提示されています。1次選定表では最適な改良別分類が示され、2次選定表では具体的な工法を選択することができます。目的や地盤条件に応じ、環境に配慮した最適な工法を選択するための資料として重要です。

また、国土交通省の「工法比較表データベース」は工法や技術をデータベース化し、比較検討することを可能にしたもので、地盤改良工法についてもまとめられています。環境、施工機械、土質、発注者ニーズなどの条件から、最適な工法を選択することができます。

安定した地盤を築くためには、条件のひとつひとつを検証し、最適な工法を選択することが欠かせないのです。