建設DXはなぜ進まない?現状の課題とAIを活用したDX事例を紹介

2024年04月02日 建設DX

建設DXとは、デジタル技術を活用して建設現場における業務の効率化を目指す取り組みのことです。

しかし、建設DXが推進されている中、実際の現場ではなかなかDX化が進まない現状にあります。今回は、その理由とAIloTを活用したDX事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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建設DXが進まないのはなぜか?

建設業界では人手不足が深刻化しており、生産性の向上やビジネスモデルの変革を目指す、DX化の取り組みが広がっています。

しかし、大手企業には導入が進んでいるものの、中小企業の多くはデジタル技術を活用する以前に、取り組みを始める段階で課題が生じているケースが多いようです。

その課題として挙げられるのが、「人手不足」と「デジタル格差」です。

 

課題は「人手不足」と「デジタル格差」

1つ目に大きな課題となるのが、人手不足です。

DX化によって人手不足が解消されるとはいえ、その前段階であるDXを進める際の人材不足が大きく影響しています。AIなどのデジタル技術を活用したビジネスモデルを変革することで業務効率化を促しますが、DX導入の状況は企業によってバラバラであり、全体として遅れている現状にあります。

 

2つ目の課題は、デジタル格差です。

現代ではインターネットが広く普及し、スマートフォンやタブレット端末のユーザーが増加しました。しかし、現在においてもデジタル化の流れに対応できず、技術を使いこなせない人々は多く存在しています。

特に、中小の建設業界ではデジタル化に嫌悪感を持つ方も多く、技術を扱える人材が不足していることが大きな課題です。

 

デジタル格差が生まれる原因とは?

建設業でデジタル格差が生まれてしまう原因として、次の4つが挙げられます。

  • 業務の特性や習慣からデジタル化しにくい
  • 重層下請け構造により情報伝達が電話や紙ベースである
  • 他業界に比べて高齢化が進み、デジタル化に対応できない
  • 小規模な企業が多くデジタル化を担う人材が存在しない

このほかにも、町場と野丁場で求められることが異なるため、デジタル格差が生じているケースもあります。

町場は比較的小規模な工事であるのに対し、野丁場は大きなゼネコンの元でビル建設など多くの人材が必要な工事を行います。そのため、デジタルデバイスの使用を求められることが多いようです。

 

AIやloTを活用した建設業のDX事例を紹介

AIやloTを活用することで、データの収集・管理を効率化し、よりスムーズな現場業務へとつなげていく効果があります。

 建設業界でDX化に取り組んだとある企業では、公共工事の期間中に撮影した大量の写真データの整理や管理に時間がかかってしまうといった課題を抱えていました。そこで、写真管理を本社が一括管理する方針に変更し、データの管理はPCスキルを持つ若手従業員に一任します。

 また、ITツールに不慣れなベテラン従業員は技術を必要とする工事の現場作業に注力してもらう体制を取り、得意分野を活かした業務スタイルによって生産性向上に成功したようです。