タンク設計に求められること

2021年09月11日 地質

タンクの設計

タンクの設計については、昭和二十三年法律第百八十六号「消防法」、昭和三十四年政令第三百六号「危険物の規制に関する政令」、昭和三十四年総理府令第五十五号「危険物の規制に関する規則」、さらには自治体の定める審査基準において細かく厳密に規定されています。規定が厳しいのは安全を保証するためです。

タンク本体や配管の強度について規定されているのはもちろん、防食措置や、屋外タンクの場合は耐震・耐風圧構造が求められます。全室満液時・全室満液地震時・各室満液時・各室満液地震時のケース別に、設計圧力に耐える強度が求められるといった具合です。

水圧試験や溶接部の試験などさまざまな試験を実施して安全性を確かめなければなりません。水圧試験を例にとると、タンクの条件ごとに「設計圧力の2倍で行う」「最大常用圧力の1.5倍以上で行う」など定められています。

 

 

タンクの設計審査

タンクの設計がきちんとなされているか審査するのが「設計審査」です。特定屋外タンク貯蔵所を例に説明します。特定屋外タンク貯蔵所とは、屋外タンク貯蔵所のうち、貯蔵するまたは取り扱う液体の危険物の最大容量が1,000キロリットル以上のものです。

特定タンクを設置する際、特定タンクの構造や設備が消防法令に定める技術基準に適合するか、設計段階で審査を受けます。審査を通ることではじめて市町村長や都道府県知事から設置の許可が受けられるのです。特定タンクの構造や設備を変更する際も審査を受ける必要があります。

設計審査の項目としては以下のものがあります。

〈基礎と地盤〉支持力、すべりや沈下・地盤の液状化のリスク、基礎上面と地下水位の間隔など

〈タンク本体〉板厚、材質、側板の発生応力、荷重条件、溶接の施工法など

 

設置または変更の許可を受けた後も、工事の工程ごとに受けなければならない完成検査前検査や完成検査があります。また、容量が10,000キロリットル以上の特定タンクの場合、内部を定期開放して保安検査を受けます。さらに、特定タンクに直径の100分の1以上の不等沈下が発生した場合、臨時保安検査を受けます。

 

重要ポイントをQ&A形式で確認

Q1. タンク設計で最初に押さえるべきことは何ですか。

A1. タンク設計で最初に押さえるべきなのは、容量や用途だけでなく、安全を前提に法令適合と構造条件を整理することです。危険物タンクは消防法や関連政令、自治体基準に基づいて細かく規定されており、設計の段階から本体、配管、基礎、耐震性まで一体で考える必要があります。

 

Q2. タンク設計で消防法などの法令確認が重要なのはなぜですか。

A2. 法令確認が重要なのは、タンクの安全性が設計者の判断だけでなく、公的な技術基準で担保される仕組みになっているためです。消防法や危険物の規制に関する政令・規則では、強度、防食、耐震、耐風圧まで具体的に定められており、基準を満たさなければ設置許可そのものが難しくなります。

 

Q3. タンク設計で地盤や基礎の確認が欠かせないのはなぜですか。

A3. タンク設計では、本体の強度と同じくらい地盤と基礎の確認が重要です。支持力が不足したり、沈下やすべり、液状化の危険が見過ごされたりすると、上部構造を適切に設計しても安定運用が難しくなります。基礎上面と地下水位の関係まで確認するのは、長期安全性を確保するためです。

 

Q4. 特定屋外タンク貯蔵所とは何ですか。

A4. 特定屋外タンク貯蔵所とは、屋外タンク貯蔵所のうち、液体危険物の最大容量が1,000キロリットル以上のものを指します。規模が大きく事故時の影響も大きくなりやすいため、通常以上に厳格な設計審査や検査が求められます。

 

Q5. タンク本体の設計ではどのような点が確認されますか。

A5. タンク本体の設計では、板厚や材質、側板に発生する応力、荷重条件、溶接施工法などが確認されます。また、屋外タンクでは耐震性や耐風圧構造も重要視され、満液時や地震時など複数条件で設計圧力に耐えられる強度を満たす必要があります。さらに、水圧試験や溶接部試験によって、設計どおりの安全性が確保されているか確認されます。

 

Q6. タンクは設置後も検査が必要ですか。

A6. タンクは設置後も継続して検査が必要です。設置や変更の許可を受けた後も、工事の工程ごとの完成検査前検査や完成検査があり、一定規模以上の特定タンクでは定期的な保安検査も求められます。設計が適切でも、維持管理を怠ると安全性は保ちにくいため、運用計画まで含めた設計が大切です。