改良材について特徴を把握する

2021年07月12日 地質

地盤改良

改良材について説明します。改良材は地盤改良材・固化材とも呼ばれます。よく知られている改良材としてセメントや石灰がありますが、その他にどのような種類があるか、そして地盤改良においてセメントと石灰をどう使い分けるか解説していきます。

改良材の種類は豊富です。ポピュラーなセメント・石灰のほか、これらを母材に生み出されるセメント系改良材(セメント系固化材)および石灰系改良材(石灰系固化材)も普及しています。両者の機能を併せ持つ、複合型の改良材も使用されています。地盤改良の効果を出すためには、改良材それぞれの特徴を把握することが欠かせません。改良を行う土地の土質と改良材の相性によって、どれほど強固な地盤に改良できるかが左右されるからです。

地盤改良材の種類ごとの特徴を説明しましょう。

1.セメントおよびセメント系改良材

セメントは改良材の代表格といってよいでしょう。セメント系改良材は、セメントに各種の有効成分を付加したものです。セメントは砂質土・粘性土はもちろん、高有機質土やヘドロなどの難易度の高い土に対しても適用できるため、非常に使い勝手の良い改良材といえます。

2.石灰および石灰系改良材

石灰には生石灰と消石灰があります。石灰系改良材は、石灰に各種成分を付加したものです。地盤改良においては消石灰より生石灰が使用されるケースが多く、粘性土との相性が良いといわれます。

3.複合系改良材

セメント・石灰を含む無機質材料を配合した無機系複合型の地盤改良材です。土質との相性は配合割合によって異なります。

4.高分子系改良材

建設汚泥を流動性のない状態に改質・固化させたものです。汚泥のリサイクル手段として期待されています。

このように様々な種類がある中でも、施工実績が多いのはやはりセメントおよびセメント系改良材、そして石灰および石灰系改良材です。では、セメントと石灰ではどんな違いがあり、どう使い分けるのでしょうか。セメントを使用した地盤改良の特徴は、長期間にわたって高い強度を維持できる点です。道路や橋梁など重要な社会インフラをはじめ、大型構造物を築く際にはセメントが用いられるケースが多いといえます。一方、石灰は浚渫工事の際など一時的な固化に用いられることが多いようです。環境負荷が小さいイメージがあることから、河川や港湾など漁業被害が懸念される地域において石灰が選択される事例もあります。

地盤改良を行う目的や改良を行う土地の土質、周辺環境といったことを総合的に判断して改良材を選択するのです。


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Q1. 地盤改良材(改良材)とは何ですか?どのような目的で使用されるのでしょうか?

A1. 地盤改良材は、軟弱な地盤を強固にするために使用される材料で、地盤改良材や固化材とも呼ばれます。建設工事において、軟弱な地盤のままでは建物や構造物を安全に支えることができないため、土質を改良して強度を高める目的で使用されます。

地盤改良材を土に混ぜることで化学反応が起こり、土の粒子同士が結合して固まります。これにより、建物の基礎や道路、橋梁などの構造物を支える地盤として必要な強度や安定性が得られます。地盤改良は、新築住宅の建設や道路工事、港湾工事など、さまざまな建設現場で実施されています。

改良材の選定は、改良を行う土地の土質や周辺環境、求められる強度や改良の目的などを総合的に判断して行われます。適切な改良材を選択することで、地盤改良の効果を最大限に引き出し、安全で長持ちする構造物の建設が可能になります。

Q2. 地盤改良材にはどのような種類がありますか?

A2. 地盤改良材には豊富な種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。代表的なものとして、セメント、石灰、そしてこれらを基材として開発された各種の改良材があります。

まず、セメントおよびセメント系改良材があります。セメントは地盤改良材の代表格といえる材料で、セメント系改良材はセメントに各種の有効成分を付加して機能を高めたものです。セメントは砂質土や粘性土をはじめ、高有機質土やヘドロなど改良が難しい土質に対しても適用できるため、非常に使い勝手の良い改良材として広く使用されています。

次に、石灰および石灰系改良材があります。石灰には生石灰と消石灰の2種類があり、石灰系改良材は石灰に各種成分を付加したものです。地盤改良においては消石灰より生石灰が使用されるケースが多く、特に粘性土との相性が良いとされています。

さらに、複合系改良材も普及しています。これはセメントや石灰を含む無機質材料を配合した無機系複合型の地盤改良材で、配合割合を調整することでさまざまな土質に対応できます。

また、高分子系改良材という種類もあります。これは建設汚泥を流動性のない状態に改質・固化させたもので、汚泥のリサイクル手段として期待されています。

これらの中でも、施工実績が多いのはセメントおよびセメント系改良材、そして石灰および石灰系改良材です。改良を行う土地の土質と改良材の相性によって、どれほど強固な地盤に改良できるかが左右されるため、それぞれの特徴を把握することが重要です。

Q3. セメント系改良材の特徴と適用範囲を教えてください。

A3. セメント系改良材は、地盤改良において最も広く使用されている改良材の一つで、高い汎用性と優れた強度特性が特徴です。

セメントは地盤改良材の代表格といってよい材料で、セメント系改良材はこのセメントに各種の有効成分を付加することで、さらに性能を向上させたものです。最大の特徴は、適用できる土質の範囲が非常に広いことです。砂質土や粘性土といった一般的な土質はもちろん、高有機質土やヘドロなど改良が難しいとされる土質に対しても適用できます。

セメントを使用した地盤改良のもう一つの重要な特徴は、長期間にわたって高い強度を維持できる点です。セメントは土と混合されると化学反応を起こし、時間の経過とともに強度が増していきます。そして一度発現した強度は長期間にわたって安定して維持されるため、恒久的な構造物の基礎として信頼性が高いといえます。

このような特性から、道路や橋梁など重要な社会インフラをはじめ、大型構造物を築く際にはセメントが用いられるケースが多くなっています。ビルや住宅などの建築物の基礎工事、高速道路や空港の建設、港湾施設の整備など、長期的な強度と安定性が求められる工事において、セメント系改良材は重要な役割を果たしています。

ただし、セメント系改良材は石灰系と比較すると、一般的にコストが高くなる傾向があります。そのため、求められる強度や改良の目的、予算などを総合的に考慮して選択することが重要です。

Q4. 石灰系改良材の特徴と適用範囲を教えてください。

A4. 石灰系改良材は、セメント系と並んで地盤改良で広く使用されている改良材で、特に粘性土に対して効果的な特徴を持っています。

石灰には生石灰と消石灰の2種類があり、石灰系改良材はこれらの石灰に各種成分を付加したものです。地盤改良においては消石灰より生石灰が使用されるケースが多く、これは生石灰が水と反応する際に発熱し、この熱によって土の乾燥や固化が促進されるためです。

石灰系改良材の大きな特徴は、粘性土との相性が良い点です。粘性土は粘土分を多く含む土で、水分を含むと軟弱になりやすい性質があります。石灰は粘性土と反応することで、土の粒子構造を改善し、強度を高めることができます。

石灰は浚渫工事の際など、一時的な固化に用いられることが多いとされています。浚渫工事とは、河川や港湾の底にたまった土砂を取り除く工事のことで、取り除いた土砂(浚渫土)を一時的に固化させて処理しやすくする際に石灰が活用されます。

また、石灰は環境負荷が小さいイメージがあることから、河川や港湾など漁業被害が懸念される地域において選択される事例もあります。セメントと比較して、水質や生態系への影響が少ないと考えられているため、環境への配慮が特に求められる現場で採用されることがあります。

ただし、石灰系改良材はセメント系と比較すると、長期的な強度の維持という点ではやや劣るとされています。そのため、恒久的な構造物の基礎というよりは、一時的な固化や比較的軽い構造物の基礎、環境への配慮が求められる現場などで選択されることが多いといえます。

Q5. 複合系改良材と高分子系改良材について教えてください。

A5. 複合系改良材と高分子系改良材は、セメントや石灰といった従来の改良材とは異なる特性を持つ地盤改良材です。

複合系改良材は、セメントや石灰を含む無機質材料を配合した無機系複合型の地盤改良材です。単一の材料ではなく、複数の材料を組み合わせることで、それぞれの長所を活かした改良が可能になります。セメントの高い強度特性と石灰の粘性土への適合性など、両者の機能を併せ持つことができるのが特徴です。

複合系改良材の土質との相性は、配合割合によって調整できます。改良対象の土質や求められる強度、コストなどに応じて、セメントと石灰の配合比率を変えることで、最適な改良効果を得ることができます。この柔軟性により、さまざまな工事現場で使用されています。

一方、高分子系改良材は、比較的新しいタイプの地盤改良材です。建設汚泥を流動性のない状態に改質・固化させたもので、建設現場で発生する汚泥のリサイクル手段として期待されています。

建設工事では、掘削や地盤改良の過程で大量の汚泥が発生します。従来はこれらを産業廃棄物として処分する必要がありましたが、高分子系改良材を使用することで、汚泥を再利用可能な状態に改質できます。これにより、廃棄物の削減と資源の有効活用が同時に実現できるため、環境への配慮が求められる現代の建設業界において注目されています。

高分子系改良材は、環境負荷の低減とコスト削減の両面でメリットがあるとされていますが、長期的な強度や耐久性については、セメント系や石灰系と比較してまだ実績が少ない面もあります。そのため、適用範囲や使用条件については、専門家の判断が必要とされています。

Q6. セメントと石灰の使い分けはどのように判断すればよいですか?

A6. セメントと石灰の使い分けは、地盤改良を行う目的、改良を行う土地の土質、周辺環境、求められる強度や耐久性、予算などを総合的に判断して決定されます。

まず、求められる強度と耐久性の観点から考えると、セメントを使用した地盤改良は長期間にわたって高い強度を維持できるという特徴があります。そのため、道路や橋梁など重要な社会インフラをはじめ、大型構造物を築く際にはセメントが用いられるケースが多いといえます。建物の基礎や恒久的な構造物の地盤改良では、長期的な安定性が求められるため、セメント系改良材が選択されることが一般的です。

一方、石灰は浚渫工事の際など一時的な固化に用いられることが多いとされています。比較的短期間の強度確保や、仮設的な用途では石灰系改良材が適している場合があります。また、石灰は粘性土との相性が良いため、粘土分の多い土質の改良には効果的です。

周辺環境への配慮も重要な判断基準です。石灰は環境負荷が小さいイメージがあることから、河川や港湾など漁業被害が懸念される地域において選択される事例があります。水質や生態系への影響を最小限に抑える必要がある現場では、石灰系改良材が優先される傾向があります。

対象となる土質も使い分けの重要な要素です。セメントは砂質土、粘性土、高有機質土、ヘドロなど幅広い土質に適用できますが、石灰は特に粘性土に対して効果が高いとされています。改良対象の土質を事前に調査し、最も効果的な改良材を選択することが重要です。

コストの面では、一般的にセメント系改良材は石灰系よりも高価になる傾向があります。予算の制約がある場合や、求められる強度が比較的低い場合には、石灰系改良材の使用が検討されることもあります。

このように、セメントと石灰の使い分けは単一の基準では決められず、プロジェクトの特性や条件を総合的に考慮して、最適な改良材を選択することが求められます。

Q7. 地盤改良材を選択する際に、土質との相性が重要な理由は何ですか?

A7. 地盤改良材を選択する際に土質との相性が重要な理由は、改良材と土の化学反応の効果が土質によって大きく異なり、これが最終的な地盤の強度や安定性に直接影響するためです。

地盤改良材は土に混ぜることで化学反応を起こし、土の粒子同士を結合させて固化させます。しかし、この化学反応の進み方や効果は、土の成分や性質によって変わってきます。適切な組み合わせでなければ、期待した強度が得られなかったり、改良効果が十分に発揮されなかったりする可能性があります。

例えば、石灰系改良材は粘性土との相性が良いとされています。粘性土は粘土分を多く含み、水分を含むと軟弱になりやすい性質がありますが、石灰はこの粘土分と反応して土の構造を改善し、強度を高めることができます。しかし、砂質土に対しては石灰の効果が限定的な場合もあります。

一方、セメント系改良材は幅広い土質に対応できるという特徴があります。砂質土や粘性土はもちろん、高有機質土やヘドロなど改良が難しい土質に対しても適用できるため、土質が不均一な現場や、事前の土質調査が十分でない場合にも選択されやすい改良材です。

土質との相性が悪い改良材を使用すると、想定した強度が得られないだけでなく、改良材の使用量が増加してコストが膨らんだり、施工後に地盤が沈下したりするリスクもあります。最悪の場合、建物や構造物に不具合が生じる可能性もあるため、事前の土質調査と適切な改良材の選定は地盤改良工事において極めて重要なプロセスとなります。

改良を行う土地の土質と改良材の相性によって、どれほど強固な地盤に改良できるかが左右されるため、地盤改良の効果を出すためには改良材それぞれの特徴を把握し、対象となる土質に最も適した改良材を選択することが欠かせません。

Q8. 地盤改良において環境への配慮が求められる現場では、どのような改良材が選ばれますか?

A8. 環境への配慮が求められる現場では、主に石灰系改良材が選択される傾向があります。また、高分子系改良材も環境負荷の低減という観点から注目されています。

石灰系改良材が環境配慮型の現場で選ばれる理由は、環境負荷が小さいというイメージがあるためです。特に、河川や港湾など漁業被害が懸念される地域において石灰が選択される事例があります。これらの水域では、水質への影響や水生生物への影響を最小限に抑える必要があるため、セメントよりも環境への影響が少ないと考えられている石灰が優先されることがあります。

石灰は天然の石灰石を原料としており、セメントと比較して製造過程でのエネルギー消費が少なく、二酸化炭素の排出量も比較的少ないとされています。また、水に溶け出した場合の生態系への影響についても、セメントよりも穏やかであると考えられています。

ただし、石灰も強アルカリ性の物質であるため、適切な管理のもとで使用する必要があります。施工時には周辺の水域や土壌への流出を防ぐための対策が必要であり、環境モニタリングを実施することも重要です。

また、高分子系改良材は建設汚泥をリサイクルする手段として期待されています。建設工事で発生する汚泥を産業廃棄物として処分するのではなく、改質・固化して再利用することで、廃棄物の削減と資源の有効活用が実現できます。これは循環型社会の形成に貢献する取り組みとして評価されています。

環境への配慮が求められる現場では、これらの改良材の特性を理解した上で、プロジェクトの目的や周辺環境の状況、法規制などを総合的に考慮して、最も適切な改良材を選択することが重要です。場合によっては、環境影響評価を実施したり、地域住民や関係機関との協議を行ったりすることも必要になります。

Q9. 地盤改良材の効果を最大限に引き出すために、施工前に確認すべきことは何ですか?

A9. 地盤改良材の効果を最大限に引き出すためには、施工前に対象地の土質を詳細に調査し、改良の目的や周辺環境、求められる強度などを明確にすることが重要です。

まず最も重要なのは、土質調査です。改良を行う土地の土質を正確に把握することで、最も相性の良い改良材を選択できます。土質調査では、土の種類(砂質土、粘性土、有機質土など)、含水比、粒度分布、地下水位などを確認します。これらのデータをもとに、どの改良材がどの程度の効果を発揮するかを予測できます。

次に、地盤改良を行う目的を明確にすることが必要です。建物の基礎として長期的な強度が必要なのか、一時的な仮設構造物のための改良なのか、目的によって求められる強度や耐久性が異なります。恒久的な構造物の基礎であればセメント系改良材が適していますし、一時的な固化であれば石灰系改良材でも十分な場合があります。

周辺環境の確認も重要です。河川や港湾に近い場所、住宅地に隣接する場所、地下水が豊富な地域など、周辺環境によって選択すべき改良材が変わることがあります。特に、水質や生態系への影響が懸念される場合は、環境負荷の小さい改良材を選択する必要があります。

また、施工条件の確認も欠かせません。工事期間の制約、予算の上限、施工機械の制約、天候条件などを考慮して、実現可能な施工計画を立てることが重要です。改良材によっては気温や湿度の影響を受けやすいものもあるため、施工時期の選定も効果に影響します。

さらに、関連する法規制やガイドラインの確認も必要です。建築基準法や環境関連法規、地方自治体の条例などを遵守した上で、適切な改良材と施工方法を選択しなければなりません。

これらの確認作業を施工前にしっかりと行うことで、地盤改良材の効果を最大限に引き出し、安全で長持ちする地盤改良が実現できます。

Q10. 地盤改良材を選定する際の総合的な判断基準をまとめて教えてください。

A10. 地盤改良材を選定する際は、土質、改良目的、環境配慮、強度・耐久性、コスト、施工性といった複数の要素を総合的に判断する必要があります。

土質との相性は最も基本的な判断基準です。改良を行う土地の土質と改良材の相性によって、どれほど強固な地盤に改良できるかが左右されます。セメント系改良材は砂質土から粘性土、高有機質土まで幅広い土質に対応できますが、石灰系改良材は特に粘性土に対して効果が高いという特性があります。事前の土質調査を丁寧に行い、対象土質に最も適した改良材を選択することが重要です。

改良の目的も重要な判断基準となります。道路や橋梁などの社会インフラや大型構造物のように長期間にわたって高い強度を維持する必要がある場合は、セメント系改良材が適しています。一方、浚渫工事での一時的な固化や比較的軽い構造物の基礎であれば、石灰系改良材でも十分な効果が得られることがあります。

周辺環境への配慮も欠かせない要素です。河川や港湾など漁業被害が懸念される地域では、環境負荷が小さいとされる石灰系改良材が選択される事例があります。また、建設汚泥のリサイクルを目的とする場合は、高分子系改良材の使用も検討されます。環境影響評価が必要な場合もあるため、事前に関係機関と協議することが重要です。

コストも現実的な判断要素です。一般的にセメント系改良材は石灰系よりも高価になる傾向がありますが、長期的な強度と安定性を考慮すると、初期コストが高くても総合的には経済的という場合もあります。プロジェクトの予算と求められる性能のバランスを考慮する必要があります。

施工性や工期の制約も考慮すべき点です。改良材によって施工方法や硬化時間が異なるため、工事スケジュールや施工条件に合わせた選択が必要です。

このように、地盤改良材の選定は単一の基準では判断できず、プロジェクトの特性や条件を総合的に考慮して決定されます。専門家による適切な評価と判断が、効果的な地盤改良の実現には不可欠です。