セメント系固化材を用いた地盤改良施工後のアルカリ成分について

2019年02月22日 地盤改良

地盤改良を施工した土壌のアルカリ成分について説明いたします。

株式会社セリタ建設では地盤改良においてセメント及びセメント系固化材をよく用います。地盤改良材の種類や地盤改良工法は増えていますが、セメント及びセメント系固化材による地盤改良は強度が高く、長期の安定が見込める上、全国的に施工実績も多いので信頼のおける工法といえるでしょう。

セメント系固化材を用いて改良した地盤はアルカリ性を示すものの、表面の地盤は徐々に中和が進むため、環境面での影響を心配する必要はありません。また、改良土の周辺の土壌への影響も極めて小さいので、不安視することはないといえます。

少し詳しく説明しましょう。セメント系固化材は硬くなる経過で水酸化カルシウムを発生させます。水酸化カルシウムが水中で溶けて解離すると液体状態にある物質のpHがアルカリ性になります。これが、セメント系固化材を用いて改良した地盤はアルカリ性を示すということですが、雨などによって改良土の表面からはアルカリ成分が溶け出し、抜けていく上に、空気中の炭酸ガスによって水酸化カルシウムが炭酸カルシウムとなり、アルカリ性が低下し、結果として中和されます。

改良土の周辺の土壌へ浸透したアルカリ成分は、土の緩衝作用によって拡散が抑制されます。土には粘土鉱物の微粒子や土壌有機物が中和作用を起こす上に、そもそも日本の土壌は酸性であるケースが多く、中和の効果が非常に高いのです。セメント系固化材による改良土について実験した結果も、周辺の土壌は改良直後から一貫して中性の値を示していました。詳しくは社団法人セメント協会発行の『セメント系固化材による地盤改良マニュアル(※)』をご参照ください。

水辺における地盤改良工事の場合、河川や海などの水量が豊富な場所では、水量に比して溶け出るアルカリの量が小さいため、影響は小さいといわれます。一方、小さな池の付近など、水量の小さい場所における地盤改良では、炭酸ガスによる中和したり、覆土をすることでアルカリ成分の土の接触を防ぎ、緩やかにアルカリ性を低下させます。

セメント系固化材による改良土で施工直後にアルカリ成分が高くなることについては、環境被害が予測されるレベルではないとの見解をセメント協会はとっています。

株式会社セリタ建設では高い強度を発現し、かつ環境負荷の小さい地盤改良を行うために、改良材の添加量の計算をその都度行っております。計算ツールはホームページ上で公開しているのでぜひご利用ください。

 

※「セメント系固化材による地盤改良マニュアル[第4版]」セメント協会(H24.10)