田畑を造成した土地は地盤改良を

2021年03月01日 造成

田畑に家を建てることを検討されているなら、造成工事に加えて地盤改良を行う必要があります。田畑の地盤は軟弱で、沈下や液状化のリスクが高く、地盤の強度を高めることが必須だからです。地盤改良工法は様々な種類がありますが、強度を確実に高める工法を選択することが重要です。

まず、田畑だった場所に住宅を建てる場合、造成費用に加えて地盤改良費用も必要となる理由について説明します。稲作には大量の水が必要なので、近くの川や水路から水が流れ込みやすいよう、田畑は低地になっています。効率的に稲作ができるよう、水が集まる構造になっているのです。このため、何十年あるいは何百年と田畑だった土地の地盤は常に水分を多く含んでおり、粘土や泥に近い土質となった軟弱地盤なのです。昔田畑だった土地の地盤は、軟弱さゆえに沈下や地震による液状化のリスクが非常に高いといえます。

田畑だった土地を利用したい場合は、まず盛土という造成工事を行います。大量の土を運んで埋め立てて、低地の田畑を道路と同じ高さにするのです。田畑造成費用は、低地の度合いや周辺の環境によって異なります。昔は「田畑を埋め立てて十年たったらやっと家を建てられる」といったそうですが、現在は地盤改良工事があるので、それほどシビアではありません。しかし、田畑だった土地に家を建てた場合は湿気に悩まされるなどのデメリットもあるので、留意しておいた方がいいでしょう。

地盤改良費用は、支持層(強度のある地盤)がどの程度の深さにあるかが大きく関わります。5m以内の深さに支持層がある場合は費用が高くならずに済むケースが多いようです。逆に支持層が地下深くにしかない場合は、100万円以上かかる可能性もあります。支持層がどの程度の深さにあるかは地盤調査によって明らかになります。

地盤改良工法には様々な種類があり、工法によって価格も異なります。特に田畑のような軟弱地盤を改良する場合に重要なのは、価格の安さでなく、「その工法で地盤の強度が上がるか」をよく検証して選択することです。地盤改良を確実に行う方が、長い目で見れば安く済みます。

田畑を造成した土地を地盤改良する必要性についてお話しましたが、長年住宅地だった土地でも、地盤調査を行うと支持層がまったくない地盤だったというケースもあります。また、田畑を造成して地盤改良せずに駐車場にした土地を購入した場合、宅地として使うにはやはり地盤調査して適切な改良を加えるべきです。田畑であったか否かを問わず、地盤調査を行うことをおすすめいたします。