ため池を地盤改良して耐震対策

2022年01月14日 ため池

ため池の地盤改良によって下流域の安全を守ることができます。ため池とは、雨水などを貯めておき、田畑の農作物へと水を引く池のことです。この記事では、ため池の構造と名称、ため池で起きている災害の概要、災害を起こさないための対策について説明します。

ため池の耐震

ため池の構造と名称

堤体:基礎地盤の上に盛土された堤防のことで、ため池の本体といえる。

堤高:ため池堤防の高さ。

洪水吐き:大雨の際にため池の洪水量を安全に下流へと流すための施設。

取水施設:農地に水を入れるために、ため池から取水する施設。立樋・斜樋を指す。

立樋(たてひ):ため池から取水するための施設で、池の中に設置する。取水塔とも呼ぶ。

斜樋(しゃひ):ため池から取水するための施設で、堤体法面(斜面)に設置する。

底樋(そこひ):立樋または斜樋から取りこんだ水を堤外に導水する施設。土砂吐きゲートを設置する。

刃金(はがね):堤体に用いられる、水を通しにくい性質の土のこと。ため池を止水する役割を果たす。

地震でため池が被災

全国に約16万か所あるため池の多くは江戸時代以前に築かれているといわれます。老朽化が進んだため池は、安全面が危ぶまれるものも存在します。

近年は異常気象による大規模災害が頻発し、ため池も被災しています。ため池の大きさに関わらず、地震で被災したため池が下流域に甚大な被害をもたらした事例が数多く報告されています。中には、決壊したり、その後の貯水が非常に難しくなったりするため池もありました。被災したため池の中には地盤の液状化が原因と推測されるものがあります。液状化はため池被災の主要な原因のひとつとみられているのです。

地盤改良が災害を防ぐ

セメント系改良材による地盤改良は、市街地などにおける液状化対策として広く知られるようになりました。実は、ため池やその周辺においても液状化対策として有効であることが調査・研究で明らかになっています。液状化を防ぐことで、ため池被災を起因とした下流域の大規模な災害を防ぐことができるのです。ため池の地盤改良は、堤体にクラックや陥没が起きている場合の対策にもなるので、補強の手段としては最適といえます。

セリタ建設は、耐用年数を過ぎて機能が衰えたため池の整備や改修に携わっております。ため池やその周辺の地盤改良はもちろん、堤内の浚渫などについてもぜひお問い合わせください。ため池下流の宅地や農地等の被害を防ぐことで、社会貢献してまいります。