n値と地耐力の関係(相関関係の目安)

2022年11月16日 地質

 n値と地耐力に応じて、当該地盤がどのような特徴を持つ地盤か5パターンに分けて解説します。一般的にn値が20以上の土質であれば支持地盤として適用可能でありn値が50以上ある場合は、十分に強固な地盤であることが分かります。しかし、強固な地盤では、施工性を考慮した計画が求められます。

n値と地耐力の相関関係

攪拌状況

 n値と地耐力の関係

地盤の“強度”を示すn値から、当該地盤の地耐力を概算して地盤強度が施工する上で満足できるかを判断します。そこで、n値と地耐力の換算結果から地盤強度の目安を以下の5パターンに分けて解説します。

 

①n値:0~4 = 地耐力:0~40

n値が0~4程度の土質では、基本的には粘性土で非常に柔らかい地盤であることが分かります。このような土質は、軟弱地盤と評価されることが多く、表層に分布している場合は良質土との置換や浅層(表層)改良より地盤改良が求められます。

②n値:4~10 = 地耐力:40~100

n値が4~10程度の土質では、砂質土であれば“ゆるい”と分類される土層になります。比較的安定した地盤と判断されるが沈下の懸念が残ります。構造物の大きさや重要度に応じて、技術的判断に基づいた地盤改良の可否を判断する必要があります。もし当該土質が粘性土であれば地盤改良を実施するケースが多くなります。また、構造計算上の地震時の照査において、地盤沈下や液状化現象が発生する可能性に留意する必要があります。

③n値:10~30 = 地耐力:100~300

n値が10~30程度の土質では、おおむね基礎地盤として扱うことが出来ます。基礎地盤とみなすためには、n値20以上が望ましいです。n値が10程度であれば、家屋などの小型(軽量)の構造物は耐えられる可能性があります。しかし、土留壁や、擁壁などの土木構造物の基礎地盤としては不十分なケースが多くなります。一般的にどの事業者でも、基礎地盤として満足するためには、n値20以上の土質か、岩盤であることが望ましいとしています。

④n値:30~50 = 地耐力:300~500

n値が30~50程度の土質では、n値が30以上の砂質土であれば、中低層マンションなどの中小建造物の建造に耐えられる地盤と判断されます。この範囲の地盤は、強固な地盤として土木・建築構造物の基礎地盤として非常に適しています。

⑤n値: 50以上 = 地耐力: 500以上

n値が50以上の土質では、大型建造物の建造に耐えられる、非常に強固な地盤(岩盤)と判断される。土砂であれば、非常に密な状態で堅固で良質な地盤と判断される。しかし、n値50以上では施工方法によっては、効率が落ちるケースがあるため施工方法や使用機械において、岩盤施工の可否等の条件が必要になる。

 

n値による地盤改良の要否判断については、別記事でも詳しく解説している。こちらの記事もご参考下さい。

『地盤改良の要否はN値や土質で判断(https://www.serita.jp/geology/nvalue/)』