ダムの堆砂除去の重要性

2020年11月05日 ダム

この記事ではダムの堆砂問題とダムの容量の関係について説明します。「堆砂」の読み方は「たいさ」または「たいしゃ」で、河川の上流から流入してダム貯水池の湖底に堆積した土砂のことです。堆砂はダム周辺の環境問題につながる他、ダムの容量を減らして治水機能を低下させます。ダムは堆砂のために寿命が縮まるとさえいわれます。ダム堆積の土砂除去ダムのメンテナンス上、必須なのです。

では、なぜ堆砂によってダムの容量が減ることがダムの治水機能を低下させるのでしょうか。洪水時、ダムは貯水池に洪水の一部をためて放流量を調節することによって河川の下流の水量を減らします。これをダムの洪水調節と呼びます。もしダム貯水池に洪水をためるだけの充分な容量がなければ、洪水を調節することができません。堆砂量が多いダムはその分容量が不足し、治水機能を充分に果たせなくなるのです。

ダムは設計段階でダム堆砂シミュレーションが実施されます。堆砂が進行することを見越した上で、100年間の使用に耐える容量を備えたダムが建設されているわけです。しかし、想定外の豪雨が発生する昨今、土砂崩れなどによってダムに大量の土砂が流入し、予測を超えて堆砂が進行しているダムもあります。これはメディアでもたびたび報道され、問題視されているところです。

ではダムの容量とはどのようなものでしょうか。ダムにためることができる水と土砂の総量を総貯水容量といいます。

総貯水容量=堆砂容量+死水容量+利水容量+洪水調節容量

堆砂容量:ダムの管理を開始して後100年間のうちにダム湖内に堆積すると予測される土砂の量

死水容量:ダム湖の最低水位(一番低い位置の取水口より下の水位。最低水位以下の貯留水は利用できない)以下にあり、利水として利用できない水の容量

利水容量:最低水位から常時満水位(平常時ダム貯水池にためることが可能な最高水位)までの容量

洪水調節容量:常時満水位からサーチャージ水位(洪水時に一時的にダム貯水池にためることが可能な最高水位)までの容量

上記の計算式から、ダムの堆砂が予測を超えて進行することがダムの容量に影響することがご理解いただけると思います。ダムの堆砂対策としては浚渫や、土砂吐きゲートの設置(ダム排砂)などがあります。ダムの堆積物を除去して容量を確保することが、災害の備えにつながるのです。

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