建設DXが進まない要因は?導入効果やデジタル化事例も併せて紹介

2024年06月10日 建設DX

建設DXとは、建設業において業務にデジタル技術を活用し、生産性向上を図る取り組みのことです。しかし、現状としてDX化は進んでおらず、その背景にはさまざまな要因が考えられます。

今回は、建設DXが進まない要因や導入した場合のメリット、実際の導入事例などをまとめました。

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建設DXが進まない要因とは?

建設DXが進まない最も大きな要因としては、建設業における人手不足が挙げられます。

国土交通白書の調査結果によると、ピーク時である1997年の平均就業者数から、2020年には約28%も減少しています。デジタル化への変化に対する抵抗や資金などの問題よりも、人手不足の影響は大きいようです。

また、人手不足に加え、デジタルデバイスが普及した現代において、デジタル化の流れに取り残されている人々が多く存在することによる「デジタル格差」も要因の一つです。デジタル格差が生まれる原因には、建設業界特有の重曹下請け構造や人材の高齢化、小規模会社の多さ、デジタル化しにくい業務の多さなどが挙げられます。

 

建設DXの導入で期待できるメリット

建設DXがなかなか進まないものの、導入による効果は大きく、主に次のようなメリットが期待できます。

  • 従業員の安全性確保
  • 人手不足の解消
  • ヒューマンエラーの削減
  • 職人技術の継承

デジタル技術を活用することで高精度な予測や検知が可能になるため、従業員の安全性を確保しやすくなるでしょう。また、機械に任せられる仕事が増えると人手不足を解消できるほか、業務の正確性が高まり、ヒューマンエラーの削減も期待できます。

建設業界では高齢化が進んでおり、次世代への熟練者の技術継承が課題として挙げられます。そこで、技術力や判断力をデータ化していつでも閲覧可能にしたり、ICT施工を活用したりすることで、技術を継承していけるでしょう。

 

建設業のデジタル化事例を紹介

1つ目の例として挙げられるのは、AIを活用した建設システムの生産性向上についてです。建設DXにおいて、AIが現場の画像を分析し、工事の進捗状況を判定できるシステムが開発されています。AIの活用は、建設生産システムの生産性向上につながるほか、ビッグデータの活用により、建設産業のイノベーション創出にも期待できます。

もう1つの例として、ICTを使った図面管理などもあります。ICTは三次元データなどを活用することで、測量、設計、施工計画、施工、検査といった工程を支援する取り組みです。スマートデバイスやアプリケーションを使い、図面や資料をデータ化してクラウド上で管理・共有できます。さらに、データ化された情報はタブレットで管理できるため、施工業務をより正確に行えるでしょう。