ダム浚渫工事の重要性と施工時の課題、ダム浚渫工法の種類について

2020年06月02日 ダム

ダム浚渫とは、ダムの底面を浚って土砂などを除去する土木工事のことで、貯水量を保つ目的や、汚泥・底質汚染をとり除く目的で行われます。私たちの暮らしと安全を守るために、ダム浚渫は河川や水路の浚渫と同じように大切な工事です。

堆積した土砂を「堆砂」と呼びますが、ダム湖内の堆砂が進行することによって、ダムの容量は減ってしまいます。ダムの容量が減ることは、ダムの大切な役割である治水機能が充分に発揮されなくなることを意味します。さらに、堆砂の進行は河川流域や沿岸域の環境にも悪影響を及ぼすのです。

浚渫工事を行う会社は数多く存在し、建設業者が大きな比重を占めています。浚渫に必要な機械や技術がある点では当然ともいえますが、建設業者であればダム浚渫の施工が可能かといえばそうでもありません。ダム浚渫には様々な課題があるからです。

ダムは谷間に建設されることが多いため、大型建設機械を現場に搬入することが難しいだけでなく、作業ヤードを確保することも大変です。さらに、ダム湖には粘土から砂礫、ちりあくたまであらゆる種類の土砂があらゆる水深において堆積しているため、深度や土砂の種類に応じて浚渫工事の方法は慎重かつ柔軟に選ぶ必要があります。浚渫前に水中の情報をしっかり把握することが重要です。

このような難しい側面もあるとはいえ、ダムの浚渫工事はダム新設と比較し技術面においても費用面においてもはるかにハードルが低い事業なのです。ダム浚渫によって今あるダムをより長期間使えるようにすることは、非常に合理的といえます。なお、ダム浚渫にかかる費用は施工計画に基づいた単価が自治体等によって細かく設定され、浚渫工事に従事する会社はこの単価に沿って費用を算出することとなります。この点は多くの公共土木工事と共通しています。

ダム浚渫には浚渫作業用の船舶である浚渫船を用います。ダム浚渫工法としてはバックホウ浚渫やグラブ浚渫があります。バックホウ浚渫は深度の浅い箇所における堆砂の除去に用いられることが多く、グラブ浚渫は深度の浅い箇所から深い箇所まで幅広く対応できます。粒の細かい土砂にはポンプ浚渫を行います。ポンプ浚渫は浚渫から輸送までをひとつのシステムで行うことが可能というメリットがある一方で、浚渫土を捨てるための広大なスペースが必要になるというデメリットもあります。

私たちの暮らしを守るため、高い成果の見込める効率良いダム浚渫工法を状況に応じて選択する必要があります。